麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション出演:
ジェネオン エンタテインメント
発売日 2007-04-25
オススメ度:★★★★
1920年、英国からの独立のため、アイルランドの若者たちは義勇軍を結成する。医者を目指してロンドン行きを決意していたデミアンも冷酷な英国軍の仕打ちに怒りをつのらせ、兄とともに闘いに身を投じる。そして和平条約を手にしたアイルランド。しかし、条約の内容を不服とし、完全な自由を求める者と条約を受け入れようとする者で国内は対立。内戦に発展していってしまう。デミアンは完全な自由を求めるが、兄は条約を受け入れようとし、兄弟は真っ向から対立してしまう。
『プルートで朝食を』で妖艶な魅力を振りまいたキリアン・マーフィが、アイルランドの自由を求めて闘う若者を熱演するケン・ローチ監督作。戦争が何を生み出したかを、ひとりの青年の人生を通して捕らえたローチ監督。その視線は鋭く厳しくスリリングで見るものの心を捕らえて離さない。戦争から生まれるものは憎しみや哀しみしかなく、家族の絆さえも残酷に引き裂いていく。その物語は重く辛いけれど、平和ボケした心には強烈なパンチとなって響いてくる。2006年カンヌ映画祭パルムドール受賞も納得の力作だ。(斎藤 香)
2度は観れない 2007-05-29
今までまるで知らなかったアイルランドの近代史の一端が
とても分りやすい物語として進みます。
アイルランドから医者になるためにロンドン行こうとする主人公。
『この戦いになんの意味があるんだ』そう主張する主人公が
どんどんアイルランド紛争の当事者になって行くさまが痛々しいです。
この戦いの本来の意味を問いつつも残酷なまでに身近な出来事のようで
この作品の凄さを感じます。
冒頭に流れるアイルランド民謡と叙情的で美しいアイルランドの風景が
物語の残酷さを際立たせるようで、この歴史を知るべきだったけれど、
2度観るには辛すぎる映画だと思ってしまいました。
さらに詳しい情報はコチラ≫