トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション出演:
ポニーキャニオン
発売日 2007-03-21
オススメ度:★★★★
西暦2027年、人類に子どもが誕生しなくなり、世界は荒れ果てていた。英国のエネルギー省官僚のセオはある武装集団に拉致されるが、リーダーは元妻のジュリアン。彼女は1万ポンドと引き換えに検問を通過できる通行証がほしいと言う。彼女の目的は、ひとりの移民の少女を新しい社会を作る活動をしている「ヒューマン・プロジェクト」に届けること。しかし、そのグループには実態がなく、なおかつ、その少女は重大な秘密を抱えていた。
『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』や『リトル・プリンセス』などのファンタジー色の濃い作品を手がけたと思ったら、このような骨太な作品も演出できるのだから、アルフォンソ・キュアロンの力量には舌を巻く。ミステリーの女王P.D.ジェイムスが手がけたSFを製作費120億円かけて映画化。長回しで緊張感を持続させたことでリアルな迫力に満ちた作品になった。決して娯楽作ではない、少子化の現代を思えば、未来への警報ともとれるメッセージを備えた力作だ。 主演セオ役はクライブ・オーウェン。ほかマイケル・ケイン、ジュリアン・ムーアがクライブを好サポートしているのも見逃せない。(斎藤 香)
中盤の長まわしワンカットシーンに驚愕 2007-05-28
人類に繁殖能力がなくなってしまった未来を舞台にしたSF映画。未来とは言え、舞台は2027年。現代とそれほど極端な差はありません。テロや紛争が絶えず起こる荒れた世界は、むしろ第二次世界大戦ごろまで逆行した様です。
物語は、そんな不妊に苦しむ世の中にあって奇跡的に子供を身ごもった少女を、政治的に利用しようとする国家やゲリラから守り、謎の団体「ヒューマンプロジェクト」まで送り届けるというもの。
この映画、ストーリーが練り不足で、細部の設定や物語のオチのアイデアが曖昧なまま作ってしまった印象を受けます。いくら少子化とはいえ、ある時期を境に急に人類が不妊になるというのも解せないし、逆になぜ一人だけ妊娠したのかも理由は不明。ラストもアングラSFっぽさを出している気もしますが、明確なオチを求める人には不満が残るでしょう。
しかしながら、最初から「驚愕の映像体験」が目的で鑑賞した私にとって、この作品は期待以上の出来栄えでした。特に中盤手前の「群集に追いかけられる」シーンが凄い。最初は何気なくみていましたが、一向にカットが途切れないことに驚愕。思わずその場でリピートしてしまいました。もちろん、ラストの約7分ワンカットの戦闘シーンも驚き。「緊張感溢れる」というのはこういう事なんですね。
という訳で、この映画、話は2〜3点ですが、映像は5以上の得点をつけたい所です。
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