リトル・ミス・サンシャイン出演:
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日 2007-06-02
オススメ度:★★★★
どんな人にも、コンプレックスや他人には言えない秘密がある。映画のキャラクターは、それらを大げさに描きつつ、共感させるものだが、本作は、このパターンを完璧に実現した好例だ。ビューティ・コンテストに出る夢を持つ9歳のオリーヴが、「リトル・ミス・サンシャイン」というコンテストに繰り上げ出場することが決定。家族はミニバスを借り、会場のあるロサンゼルスを目指す。ヘロイン中毒の祖父や、一言も口をきかない兄、ゲイで自殺未遂を起こしたばかりのおじさんなど、問題だらけの彼らには、予想どおり波乱の道中が待つのであった。
オープニングの食事シーンだけで、家族全員の性格と役割が伝わってくるなど、演出と脚本、演技のすばらしさに感心するばかり。故障したミニバスを押しながら発進させるシーンに象徴されるように、家族のチームワークが余儀なくされるにつれ、それぞれが問題を乗り越えていく姿は観ていて微笑ましい。走る車内にカメラを据えるなど、低予算ならではの凝った映像も見どころ。強く美しい者が優れているという、現代アメリカ社会へのアンチテーゼも込められたラストは、家族の絆と各キャラへの愛おしさが最高潮に達し、目頭が熱くなる。笑いとともに人間への愛を見つめた秀作。(斉藤博昭)
負け組家族の再生旅行 2007-05-29
自殺未遂の伯父、事業失敗の父親、ヘロイン中毒のおじいちゃん、志望校に入るまで誰にも口をきかないと決めた兄。人生の負け組たちが集まった家族は崩壊寸前。唯一少女ミスコンを目指すお腹プックリのオリーブちゃんだけが、希望を持って前向に生きている。
社会における競争というのは、実はアンフェアに行われている場合が非常に多い。コネや前情報、賄賂や談合にゴマスリ。人間関係が全ての日本においては、勝敗ははじめから決まっていて、公平な競争などはなきに等しい。道中で家族の結束力を強めたオリーブちゃん一家も、ミスコン会場でレベルの差を悟り急激に弱腰になる。
「本当の負け組とは、負けることをおそれて勝負を避ける人間のことだ」というおじいちゃんの唯一まともな遺言(?)を思い出したオリーブちゃんは、一人最終ダンス選考に臨むのだが・・・。
予定調和な世間の批判の目にさらされるオリーブちゃんの味方になったのは、真実の家族愛に目覚めた一家と強面のお兄さんだけだったが、おじいちゃん直伝の○○○ダンスから何かが彼らに伝わったようだ。
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